2010年1月17日日曜日

片麻痺患者の非麻痺側について

 片麻痺患者を理学療法する上で、私は麻痺側のみでなく非麻痺側も治療対象だと考えています。
脳損傷により片麻痺になると身体の二分化がおきるといわれている。身体の二分化とは、筋緊張の不均衡がおき、麻痺側は低緊張や感覚障害により感覚情報が乏しい状況になるため、外環境と適応するために非麻痺側で感覚情報を取り入れようとして、非麻痺側は高緊張を呈してしまうと思う。
 姿勢の観点から考えても、麻痺側に体が崩れてしまうと姿勢を維持しようと非麻痺側は過剰に努力しなければいけないし・・・。
 片麻痺を理学療法する上で、考えなければならないことは、まず筋の生理学から考えて非麻痺側が過剰に努力してしまうと、麻痺側は相反的に筋緊張が低下してしまい、脳損傷による低緊張を助長してしまう可能性があると思う。その状態で麻痺側にアプローチしても固有感覚からの情報が入りにくく治療しにくいのではと思う。神経生理学から考えると、非損傷側の皮質脊髄路系が過剰に働いてしまうからとか聞いたことがあるけど・・・それはいいとして。

 だから、治療のはじめには、まずは非麻痺側の緊張を出来るだけ落としてから、麻痺側へアプローチする方が良いと思う。時には、麻痺側からアプローチすることで、非麻痺側の高緊張がおちることもあると思うけど。麻痺側・非麻痺側ともにアプローチが必要なんだけれども、いずれにせよ、動作を再学習していくまえに、姿勢が安定すること支持面が安定して非麻痺側ががんばらなくても姿勢をたもてる事を教えてあげることが重要だと思う。
 
 

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